モダンな雰囲気の引き戸はオーダー品です。香美市土佐山田町の建具職人さんにお願いしました。

天井・壁は左官さんのおすすめで珪藻土にしました。湿度の高い高知の気候に最適な自然の除湿器であり、保湿器でもあります。また、脱臭剤の役割もある優れものです。乾燥した藁を混ぜているので、やわらかな印象があります。

ご覧ください。この組み木の技術！最近は住宅メーカーがリリースする規格ものでもおしゃれな建具が増えたこともあり、このような仕事ができる機会が減りましたが、腕の良い建具職人さんのためにも、私たちは頑張らないといけないな、と思います。

奥にある床の間は、書院造りです。立派な細工が施されていました。自分の仕事を、この家を建てた大工さんに見られているような気がして、身の引き締まる思いでした。

組子の欄間(らんま)です。麻の葉模様に組まれた欄間はとてもモダンでかわいらしく、新築当時はさぞかし「おしゃれ」な家としてご近所でも評判だったのではとうかがえます。

この床の間と欄間に合うふすまを張り替えました。畳はもちろん本畳で、畳べりは肌触りの良い綿素材のものにしています。

とてもムードのある空間のレストランやホテルがあると思いますが、その空間づくりを一役買っているのがライティング（照明）です。最近は一般のご家庭でもライティングに力を入れるお宅が増えました。

もともとの天井素材を活かしたので、天井がとても立体的になっています。そこで照明デザインを施してみました。無垢の大きな梁に照明ダクトレールを取り付けて、シンプルなLEDをいくつも配置しました。

玄関のちょっとした一工夫。日本建築は床下に高さがあるため、上り口がちょっと段差があります。そこで手すりをつけて上がり降りをラクにできるようにしています。
これはハウスメーカーの規格にはない、大工ながらのプラスアルファの仕事です。